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新しい診療理念

特定行為に係る看護師の研修制度
No141r (2017/04/28)
 厚生労働省は、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年度に向けて、さらなる在宅医療の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師または歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助(例えば脱水時の点滴(脱水の判断と輸液による補正など))を行う看護師を養成し、確保していく必要性を打ち出し、「特定行為に係る看護師の研修制度」を平成27年10月から開始した。この研修制度により、今後の急性期医療から在宅医療を支えていく看護師を10万人養成することを目指している。 特定行為は診療の補助である。その内容として高度な知識と技能が特に必要とされる呼吸器関連(気管カニューレの交換など)、循環器関連(一時的ペースメーカーの操作および管理など)、心嚢、胸腔、腹腔ドレーン管理関連、創傷管理関連(褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去など)、精神および精神症状に係る薬剤投与関連(抗精神薬の臨時の投与など)、21区分の38行為が定められている。
 医師は、患者を特定した上で、看護師に手順書により特定行為を実施するように指示をする。手順書とは、医師が看護師に診療の補助を行わせるために、その指示として作成する文書であり、「看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲」、「診療の補助の内容」等、記載内容が定められている。看護師はその指示に従い「患者の病状の範囲」の確認を行い、病状の範囲内であった場合に手順書に定められた「診療の補助の内容」を実施し、医師に結果を報告する。病状が範囲外であった時には、医師に連絡をして指示を求める。
 特定行為を実施する看護師は特定行為研修を受講しなければならない。研修の内容は「共通科目(臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学、特定行為実践など)315時間」に加え、「21の特定行為区分ごとに習得すべき内容を設定した区分別科目(各15〜72時間)」が課せられる。特定行為研修を行う指定研究機関は、日本看護協会はじめ21施設が、厚生労働省により認められている。
 日本看護協会は在宅医療等の推進に向け、本制度を推進すると謳っているが、看護師は「ミニ医師」ではなく看護師本来の業務である「療養上の世話」や「診療の補助」の業務を究めるべき、などの意見もある。
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