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災害時のこころのケア −サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)−
No278n (2017/04/07)
 サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid ; PFA )は、災害やテロの直後に子ども、思春期の人、大人、家族に対して行うことのできる効果の知られた心理的支援方法である。アメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワーク、アメリカ国立PTSDセンターによって開発された。
 災害支援活動への参加を決めるにあたって、自分がこれらの活動にどう落ち着いて取り組めそうか、考えておく必要がある。PFDを行う際に経験する可能性のある状況は以下のとおりである。極度の苦痛を経験し、悲鳴をあげる、ヒステリックに泣きわめく、怒る、引きこもるなどの極端な反応を示している人たちに働きかけること。混乱した、予測不可能な状況で人びとに働きかけること。一見心理的支援と思えない仕事を引き受けること(水を配る、掃除をするなど)。指揮や管理の体制が最低限、もしくはほとんど整っていないような状況で活動すること。心理的支援に拒否的な人たちに働きかけること。
 PFAは、指定された場所で行うこともあれば、支援を必要とする人を探すために施設を歩き回って行うこともある。その現場で人々がどのように反応し、相互に影響しあっているか、よく観察する。支援を必要とする可能性がある人は、次のような急性期の苦痛の兆候を示している人たちである。状況判断ができず、まごついている人、落ち着きを失って、困惑している人、極端に引きこもっている人、無気力になっている人、パニックになっている人たち。
 これらの人々に対して、落ち着いた態度を保つことが重要である。人は、他の人の態度から物事を判断する。穏やかな態度とはっきりした考えを示すことによって、被災者はPFA提供者を信頼に足ると考えやすくなる。しっかりと落ち着いた態度を維持していれば、たとえその人が落ち着かず、安全でもなく、事態に対処する力や希望を持っていないと感じていたとしても、PFA提供者の態度に習うかもしれないからである。また文化と多様性に対して繊細にふるまうことを求められる。そのためには、PFA提供者は自分の価値観等について意識し、かつ、支援する地域のそれとの相違点についても知っておくことが必要である。また異文化について勉強することが必要である。被災者が災害の衝撃に対処できるように支援するにあたって重要なことは、彼らが自分たちの習慣や伝統、儀式、家族の在り方、性役割、社会とのつながりを維持したり、再建したりすることを助けることだからである。
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   サイコロジカル・ファーストエイド | 災害支援活動 | 急性期の苦痛の兆候 | 落ち着いた態度 | 異文化