HOME 健康相談Q&A QA007b軽度認知障害(MCI)について

第11回健康相談セミナー 質疑応答より

(2)軽度認知障害(MCI)について

(平成26年06月7日)
question (2)認知症予備軍と言われる軽度認知障害(MCI)の方は、平成25年度には400万人いると言われています。 軽度認知障害と認知症をどう区別するのでしょうか?また軽度認知障害の時期に認知症への進行を遅らせることが出来るなら、どういう点に注意したらよいのでしょうか?
amswer  MCIは、@健常と認知症の中間に位置する病態である、A将来、認知症に移行する前段階である、という点で注目されている。
 MCIの診断基準として次のことが挙げられる。(Petersen、1999)
(1)自分でもの忘れが多いと気にしている。
(2)記憶検査で同年齢の人と比べて記憶力が明らかに低下している。
(3)日常生活動作は普通に行っている。
(4)全般的認知機能(言語、判断、理解、遂行機能など)は普通である。
(5)認知症の診断基準は満たさない。
 MCIと認知症の大きな違いは、日常生活に障害を来しているかどうかであって、MCIでは日常生活に支障はない。しかしMCIを追跡調査すると、1年後に10〜15%、4年後に約半数が認知症になるという。
 MCIを見つけるには、一緒に生活している人が「もの忘れがひどくなった」と気づくことが大切である。加齢によるもの忘れ(良性健忘)では、ヒントを与えると思い出すし、自分でもの忘れの病識がある。MCIでは直近のエピソードを忘れることが特徴的である。
 MCIを診断するために自宅で行う簡単なテストもあるが、正確な診断はかかりつけ医を受診して、通常の認知症検査(長谷川式簡易知能評価スケール、MMSEなど)を行ってもらう。病態によっては認知症の専門医を紹介されてMRI,CTなどの画像検査を受ける。
 MCIは将来、高い確率で認知症になるのだから、早い時期に治療を始めることが勧められている。治療薬として、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンなどがあるが、現在、MCIに対するドネペジルの保険適応はない。しかし画像検査でアルツハイマー病の初期所見を見れば、ドネペジルを投与しているだから、専門家の間にはMCIでも治療に用いて良い筈であるという意見もある。                                    
(NH)
No007q-2 2014/08/10