HOME 健康相談Q&A 005q注射部位を揉む?

第10回健康相談セミナー 質疑応答より

(平成26年3月29日)
question1. インフルエンザ予防注射後に、注射部位を「よく揉みなさい」という医師と「揉まなくてよい」という医師がいますが、どちらが正しいのですか?

                               
amswer1.  かって予防注射をした後、注射部位を揉むと注射液がよく吸収され、免疫効果が上がり、また硬結(しこり)を作らないと言われて揉むよう勧められていた。しかし実はそのような証拠は現在までに得られていない。
 昨年発表された「インフルエンザ予防接種ガイドライン 2014年」では、「インフルエンザ予防接種後、注射部位は揉まずに、血が止まる程度に押さえるだけでよい。揉む場合でも数回に留める。余り強く揉むと皮下出血を起こすことがある」と記載されている。つまり、揉む必要はなく、軽く押さえる程度でよいということになる。
 それでは予防注射でなく、一般の注射ではどうか。予防注射以外で緊急性のある注射として、アナフィラキシーショックの治療に使うアドレナリンの筋肉注射がある。この場合、筋肉内に注射されたアドレナリンを早く体内に吸収させるという理由から、揉むほうが良いと言われるが、やはりそれを裏付けるエビデンスはない。しかし揉んで害になる訳ではないし、緊急という状況を考えれば、揉んで心理的にも安心する方がよいだろう。
 他には筋注用・抗菌剤(抗生物質)がある。注射薬の添付文書に「筋注後は硬結を防ぐため、局所を十分揉むこと」と書いてある場合はその指示に従う。しかし最近の優れた抗生物質の殆どは静脈用注射液になっている。
(NH)
No005q 2014/04/04