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高血圧治療ガイドライン 2019
No290n (2019/05/15)
 日本高血圧学会は4月19日、高血圧治療ガイドライン(JSH)2019を発表した。高血圧の基準は従来通りの140/90以上とするが、降圧(治療)目標は、75歳未満は130/80未満、75歳以上は140/90未満と厳格にした。  高血圧は国内では患者が最も多い病気であるとされるが、学会によると病気か否かを判断する診断基準(140/90以上)に該当する人は推計で約4,300万人、60歳を過ぎると急増し、高齢者では2人に1人は高血圧症であると言われている。
 診断基準とは別に患者が目指す数値として降圧(治療)目標がある。今回の改定では診断基準は変えなかったが、降圧目標を従来より10引き下げ、上130未満、下80未満とした。高血圧が脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを高めることがこれまでの研究で実証されたからである。学会によると、上の血圧で10、または下で5下げると、脳卒中の発症リスクを30〜40%、心筋梗塞では20%減らせたという。40〜60歳の中高年者約5万人を調査した国内の結果でも、正常血圧(120/80未満)より上で20、または下で10上がると、脳血管や心臓の病気を起こす確率が3倍になることが報告されている。
 日本の高血圧患者4,300万人のうち、治療により血圧が140/90未満にコントロール出来ている人は1200万人(27%)に過ぎないと言われ、国民の一人一人が自分の血圧を知り、管理するという認識を十分持つことが大切である。  高血圧は塩分の摂り過ぎや肥満、ストレスなどが原因で起こる。血圧の高い状態が続くと、血管に弾力性が無くなり、脆くなり動脈硬化となる。動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞になるリスクを高くする。また大動脈が脆くなると、その一部が異常に膨らむ大動脈瘤や血管の壁の中が裂ける大動脈解離という恐ろしい病気を起こすリスクも高まる。また腎臓でも老廃物を濾過する機能が低下し慢性腎臓病の原因となる。
 血圧の値は一日のうちでも変動するが、高い状態が続くようなら放置せず、かかりつけ医を受診することを勧める。また白衣高血圧と言って医師の前で測る血圧が高い人がいる。今回の指針では降圧目標として診察室血圧と家庭血圧を分け、75歳未満の成人の降圧目標は、診察室血圧が130/80以下、家庭血圧125/75以下、75歳以上の高齢者では診察室血圧140/90以下、家庭血圧 135/85以下としている。今回の指針では血圧をコントロールし、上記の疾病を予防するために、@食塩摂取量1日6g以下、A禁煙、節酒、Bジョギングなどの有酸素運動を毎日30分以上、などを薦めている。
NH

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